2010年05月06日

春の京都と錦市場

 本誌でお伝えしたように、3月25日に“おさかな博士”と呼ばれる坂口守彦先生(四條畷学園大学教授・京都大学名誉教授)と打ち合わせで京都に行くことになった。
 そこで、事前知識として“京の台所”といわれる錦市場を見学しておくことにした。
 それにしても「錦」とはなんといい響きだろう。その名前の良さもこの市場が愛される理由なのかもしれない。

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商店街の観光名所の一つ「錦天満宮」

外国人の観光スポット
 錦市場は、元々は地域の食材を調達する場所だったが、近年は東京の築地と同様に、京都を代表する観光スポットとなっている。
 2006年に経済産業省が選定する全国の「がんばる商店街77選」に選ばれている。
「国内外の観光客が多数訪れるが、中でも外国人専用のツアーバスが来た時は、市場の中はまるで外国人専用のようになる」とお菓子屋の女主人が教えてくれた。
 そのためか、お菓子などの土産品店が増えて生鮮を扱う店舗、特に鮮魚店が減少してきているのだという。
 確かに魚市場というほど魚屋の数は多くない。
 しかし、郷土を代表するびわ湖特産の鮎や鯉は目に付く。販売に力を入れているのがわかる。
 そのほか若狭湾で獲れた魚もみられる。下記は鮮魚店や総菜店の販売品の一部。
・本鯛の白子、鯛の子、なまこ、あわび、はまぐり、ぐじ、たら、カキなど。
・ほたるいか干、干よろいかれい、干さより、干このこ、からすみ、若狭さばへしこなど。
・浜焼きさば、うなぎ蒲焼、はも皮、いかなご釘煮、ちりめん山椒など。
 淡水魚では琵琶湖の鮎(塩焼き・やわらか煮、子鮎しょうゆ煮)と本もろこ(甘露煮)、子持ち鯉(うま煮)など。
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写真左「ぐじ」。右はからすみ、このわたなど高額珍味
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若狭さばへしこ

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子持ち鯉のうま煮

上品な味わいのびわ湖産の「こあゆ」 .jpg
上品な味わいのびわ湖産の「こあゆ」

京の伝統野菜も注目されている
 京都の伝統野菜の店かね松では、いちょう芋(大和芋)、カタクリ、丹波山の芋、七条セリ、伏見とうがらし、菊南瓜、人参葉、京からし菜などが売られていた。その他の店では軒先に太くて長い堀川ごぼう、大きなアロエベラをぶら下げているところがあった。

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京都・塚原産のタケノコ。
1本3800円、2本5000円などまさに走りの値段だ。

 かね松で“京のヒミツ”と紹介されていた人参葉を煮たのが地元では人気のおかずらしく、いくつかの惣菜店で見かけた。その他、てっぱい、いい蛸と大根、ふろふき大根、うの花、ちりめん昆布、実山椒、一口昆布巻、昆布豆、えび豆、南瓜、ささがきごぼう、ひじき豆、なます、たくあん煮をはじめとするいわゆる“京のおばんざい”がショーケースや大鍋に並んでいる。

試食が人気の美しいお漬物
 日本独特の食文化が珍しいのか、はたまた色彩の美しさに魅かれるのか、漬物が外国人に人気だという。打田漬物の「京ぼたん 桜の花入り」(¥315)など春先だけの限定品を置く店も多い。
 錦市場の両端近くに東店と北店の二つの店を置く桝aの店頭では、たくさんの小鉢が並んだ試食用の漬物を、外国人女性が「キュート」と嬉しそうな声を上げて、写真を撮っていた。そうした観光客慣れをしているのか、たいていの店が写真撮影をOKしてくれる。

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高倉屋の「すぐき」
葉っぱは一袋300円。

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桝aの「瓜奈良漬」

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商店街の漬物店はどこも試食に力を入れている。
桝aの店頭にある試食用小鉢。
こうして色とりどりの漬物が並ぶと本当にきれいだ。

クセになる昆布と胡椒
 昆布専門店では尾札部産天然昆布を細長いスティック状にし、白こしょうをまぶして和と洋を融合したような新感覚の汐吹昆布「くしゅん」を商品化している。
 これがクセになるほどおいしい。
 昆布と「胡椒」がこれほど相性がよいとは思いもよらなかった。
 海藻と胡椒の商品化を本気で考えるべきだ。

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こしょう入り汐吹昆布 「くしゅん」
800円と少し高めだがおいしいので後悔はしないはず。

世界のTOFUもここではおはぎに
 「TOFU」として世界に知られる豆腐も外国人に人気だという。
 つぶあんときなこをまぶした「おはぎ豆腐」に「七味ソフトクリーム」もあり、壁には中国語や韓国語に翻訳した手書きの商品名が書かれていて、いかにも国際的な場所という感じがする。

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「七味ソフトクリーム」
丁度食べている人がいなかったので、看板だけでごめんなさい。

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おはぎ豆腐つぶあん、きなこ

大丸デパートで見つけた漬物の新しいサービス
 四条の大丸デパートの地下食品売場にある京つけもの西利の店舗では、漬物のカットサービスや、小袋商品を好きな包装で詰め合わせるサービスなどを実施していた。
 同社は京都限定販売の新製品「ちょっぴりセット」(¥1000円)や、生しば漬やはりはり漬などの『常温タイプ』シリーズ製品の開発など、お客様サービスに取り組んでいる様子が見られる。

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京つけもの西利「ちょっぴりセット」。白の容器がかわいい。

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“おこしやす。京のみやげが勢揃い”
京都駅構内の土産物コーナーASTY京都の様子。

JR京都駅に見る春限定のお菓子と、特産品を使ったお弁当、そしてお漬物
 JR京都駅構内にあるお土産コーナーのASTY京都を覗くと、桜の花や葉を使った季節限定の美しく華やかなお菓子や宇治茶を使ったお菓子が店内を飾っている。

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京茶「お茶と豆乳のラングドシャ」

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軽い食感がおいしい「京ラスク」。
“販売員のおすすめ”というキャッチコピーも新しい売り方だ。

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販売員のおすすめ「桜わらびもち」
桜の葉を刻んで入れた春限定。ボリューム感がある。

白あんに桜の葉を練りこんである「桜ういろ」など桜のお菓子が花盛りだ。

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おたべ「春限定 春」

 おたべの抹茶、にっき、桜など4種セットなどをみても、京都の定番お菓子「八ツ橋」に黒ゴマタイプが増えているのがわかる。
 いつも感じていることだが、ゴマは食品業界において本当に強い商材だと思う。

 駅のお弁当コーナーでは京みやげとして「たけのこごはん」「ちりめん山椒ごはん」「鱧寿司」などが並ぶ。
 お弁当を“お土産”とするところがいかにも京都らしい売り方だ。
山椒の香りがおいしさを倍増「はも寿司」.jpg
「はも寿司」1260円。
山椒の香りがおいしさを倍増している。

漬物にも広い売り場を提供している。
 手提げ袋やふろしき包みのラッピングなど、各社が競っておみやげ用商品の開発に力を入れているのがわかる。

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もり「京都はすごく楽しかったよ」。
修学旅行のおみやげとして開発されたお漬物セット。
左女子生徒用、右男子生徒用。

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土井志ばづけ本舗「京都限定 京みやげ」
袋包装4種類、5種類タイプを取り揃えている。

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「京都限定販売 西利手土産セット 京づつみ」。
最近人気のふろしきらっぴんぐ製品。
好きな色を選べるのが楽しい。

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大安 「京つけものおみやげ袋」

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川勝総本家「京みやげ」1050円。
しば漬けなど6種類入っている。

最近ブームになっているのが「ちりめん山椒」だ。
山椒がかなり強いもの、ほどほどに辛味を止めたものなど各社味わいが違う。

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posted by 食品研究社 at 05:20| 食品関連ニュースより | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月24日

どうして日本ではスイカジュースが流行らないの?

高度成長期には季節の風物詩であった大きなスイカが当たり前のように売れていました。家庭の団欒は井戸や水道で冷やした丸のままのスイカを包丁で切り分け、みんなでかぶりつく。それは昭和30年代を描き大ヒットした映画「三丁目の夕日」に通じる当時では大きな幸福感をもたらしたものです。

日本の現在は少子高齢化、単身世帯の加速でゴミや悪臭を放つ大きなものは敬遠されるようになりました。ここ数年丸のままのスイカの売れ行きは落ち、代わりにカットスイカの消費が増えています。スーパーマーケットでは皮付きのスイカはゴミの収集日の前日に売れるようになってきたそうです。しかし、全体的に需要は減少傾向で日本のスイカ特産地の栽培量も減少しています。

中央奥の赤いのがスイカジュース タイジムトンプソンのレストランで
中央奥の赤いのがスイカジュース
タイジムトンプソンのレストランで


昨年タイで「スイカジュース」に出会いました。鮮やかな赤色のスイカジュースはきれいでそんなに甘すぎず飲みやすくとてもおいしい。タイの若い女性はこのスイカジュースが好きだと聞きました。しかし、同じアジアなのになぜ日本ではスイカジュースが定番飲料ではないのか? 単に製品の輸入ではなく日本で定番商品をつくる方法を探りたいと思います。

written by 山田  
posted by 食品研究社 at 14:33| Comment(19) | TrackBack(0) | 新しい食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする